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2020年08月03日

油壷湾沖で、佐藤裕さんの散骨式

 大勢のヨット仲間から、“サトちゃん”の愛称で親しまれてきた佐藤裕さんが沖縄の自宅で亡くなったのは今年1月17日の未明だった。享年72歳。惜しまれて旅立った“サトちゃん”の散骨式が大勢の仲間が参集して、神奈川県三浦半島の油壷湾沖でしめやかに行われた。

 長崎県に生まれたサトちゃんは、若くして上京し、青春時代の多くを、ここ油壷周辺の海で過ごした。1970年代の始め、ちょうど、日本の外洋ヨットが隆盛期を迎え、若く、元気のいいヨット乗りが活躍し始めた頃の油壷、諸磯、小網代周辺の海は賑やかで、活気に溢れていた。
 そんななかで、サトちゃんはセイラーとしての腕を磨き、マストやリギングを専門に扱うリガー(Rigger)としての卓越した技術を習得していった。

 7月23日、午前11時の時報を合図に散骨が行われた。
 油壷、諸磯、小網代湾、江の島の泊地から参集した20隻の外洋クルーザー、ボートに、サトちゃんと親交のあった古くからの友人、知人が分乗して式に臨んだ。本部船の<帆省会>(J24)を中心に大きな輪を描いた各艇から、11時の時報を合図に一斉にフォグフォーンが鳴り響き、其々が散骨、花びらを海に捧げ、静かに、サトちゃんの魂が安らかなることを祈った。
マリーナで談笑する在りし日のサトちゃん(写真右)
 大勢のヨット仲間に愛され、いちばん好きだった海に還っていったサトちゃん…
 その暖かな笑顔はいつまでも忘れない、どうぞ、安らかにお休みください。