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<氷河紀行> 岡田豪三 南東アラスカを航く

バンクーバー(Vancouver)からグレイシャーベイ(Glacier Bay)
往復2,500マイルの旅

写真・文 岡田 豪三

 海に落ちる氷河を求めてバンクーバー(Vancouver)からインサイドパッセージ(水路)を経て北上し南東アラスカへ。いくつもの氷河が流れ込み、荘厳さに満ち溢れたグレイシャーベイ(氷河湾)が旅の最終目的地。その雄大な氷河を堪能した後はカナダの大自然を楽しみながらバンクーバーまで往復総航海距離2,552マイル…
 昨年(2017年5月20日から8月22日まで)、95日間にわたってISPAチーフインストラクターの岡田豪三さんとその仲間たちが航海した南東アラスカ氷河紀行…その魅力溢れる航海をぞんぶんにご堪能いただきたい。

 ⇒南東アラスカ航海の膨大な記録は氷河までの往復航海を4部に分けて構成されており、以下は、そのダイジェスト版としてまとめられたものである(編集部)


 第1部は、3か所の温泉を巡り、フィヨルドの大自然を楽しみながら北上した5月20日から6月13日まで25日間の航海。航程はバンクーバー(Vancouver)~ケチカン(Ketchikan)間802マイル。
 春になったばかりのバンクーバー(Vancouver)を出港し、バンクーバー島東側の水路(パッセージ)を通り、バンクーバーの北端の街ポートハーディ(Port Hardy)へ。ネイティブインディアンの街ベラベラ(Bella Bella)に寄り、3つの温泉を楽しみながらカナダ北端の街プリンスルーパート(Prince Rupert)へ。そして、国境を越えて米国アラスカ南端の都市ケチカン(Ketchikan)までを巡る旅だ。

6月30日 North Sawyer Glacierをバックに

6月8日 雨と霧で寒くてつらい一日

6月29日 Tracy Arm Coveに入ると急に流氷が増える

6月3日 最初の温泉Eucot Hotspringに疲れを取る

7月10日 Glacier Bayの絶景

6月30日 Tracy Armで出会ったとてつもなく美しい流氷


 第2部は、世界一美しいブルーの氷河、ソイヤーグレイシャー(Sawyer Glacier・Tracy Arm)の雄大さを堪能する旅。航程は6月14日~7月4日までの21日間。ケチカン(Ketchikan)~ジュノー(Juneau)まで415マイル。
 初夏と云えども南東アラスカは極寒の地。そして、年間300日も雨が降ると言うケチカン(Ketchikan)を出港し、サーモン缶詰工場で栄えた街ピータースバーグ(Petersburg)へ。ピータースバーグを出るとすぐに流氷が現れ一段と寒くなる。初めて見る氷河は、世界一ブルーが美しいと云われているソイヤーグレイシャー(Sawyer Glacier)だ。まさに極北の大自然の美しさを巡る旅だ。

7月2日 South Sawyer Glacierこれ以上近づけない

7月18日 Juneauには豪華客船5隻が集まっている

7月10日 氷河が溶けた海水の色は宝石のように美しい

7月7日 Juneaunの朝霧

8月9日 Butedale Marinaの景色

8月15日 このクルーズで一番良かった泊地East Home Bay


 第3部は、海に落ちる氷河がいたるところから流れ込む、圧倒的な大自然の素晴らしさを表現するグレイシャーベイ(Glacier Bay)への航海。航程は7月5日~8月1日までの28日間。ジュノー(Juneau)~グレイシャーベイ(Glacier Bay)~ジュノー(Juneau)~ケチカン(Ketchikan)の691マイル。7月の南東アラスカは90%天気が悪い。苦労して来ただけに氷河の美しさ、壮大さ、大自然の凄さはより一層身体に響いてくる。ジュノーを出港し、フーナ―(Hoonah)でグレイシャーベイ入港許可を待ち、バートレットコウブ(Bartlett Cove)でオリエンテーリングを受けてからグレイシャーベイに入る。氷河が溶けて出来た海の美しさは、まるで宝ように綺麗だ。唯一上陸できるリードグレイシャー(Reid Glacier)を探索して氷河紀行を余すことなく堪能する。

6月6日 Bishop Bay Hotspring近くをセーリング

6月11日 Prince Rupert近くの入江で大量のダンジネスクラブ

6月1日 ヘルムを握る大島さん
Codovill Bay近く

7月1日 ブルーが綺麗なSouth Sawyer Glacier

7月5日 Juneauならではの景色、レストランから

7月11日 今回の最北の白が美しいJohns Hopkins Glacier


 第4部は、夏の高気圧に覆われたインサイドパッセージの最高の季節を満喫する8月2日~22日まで21日間の旅。ケチカン(Ketchikan)~バンクーバー(Vancouver)まで644マイルの航海。ケチカンに到着する2日前から夏の高気圧に覆われて最高の好天気がバンクーバーまで続く。ケチカンからは回航助っ人の庄野夫妻がベラベラ(Bella Bella)まで乗船。温泉に入り、超狭い水路を入ったり、沢山の寄り道を楽しむ。ベラベラからはボブさんの妹家族とにぎやかな楽しいクルージング。オルカ(シャチ)との遭遇、鯨との出会い、イルカの大群などを目の当たりする。極北の動物がオンパレードしたフィヨルドを大満喫。

7月12日 Reid Glacier上陸の和田さん

8月6日 超狭いWatts Narrowsに入る

8月10日 Bottleneck Inlet近くで霧を抜ける

8月18日 Lagoon Cove入口にて

8月19日 Shoal Bayの美しい景色

8月21日 Lund近くで部分日食を観察する


【編集部より】

『<氷河紀行> 岡田豪三 南東アラスカを航く』は、近々、電子ブックとして弊社より発売されます。 第一部「バンクーバー(Vancouver)~ケチカン(Ketchikan)間802マイル」編は3月8日発売予定です。<氷河紀行>物語の全容は、ぜひ電子ブックでご覧ください。