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The 35th America‘s Cup
ニュージーランド圧勝。“Cup”は再び南半球へ
いまや、“海のF1”と称されるほどに進化を遂げた世界最高峰のヨットレース、“America‘s Cup 2017”は、6月17日から英領バミューダのハミルトンで開催され、圧倒的な強さで挑戦艇<Emirates Team New Zealand>が防衛艇<Oracle Team USA>(米国)を8勝1敗で破り、ニュージーランド勢は2000年以来、5大会振りに優勝を果たし、“至高の銀杯”は、再び、南半球ニュージーランドに渡った。
優勝の立役者は若干26歳の若き英雄
1851年より現在まで166年の歴史を誇る“America‘s Cup”は、近代オリンピックより45年、サッカーのワールドカップより79年、全英オープンよりも9年も早く始まった世界最古の“銀杯”を巡る闘いは今回で35回目。ニュージーランドチームとしては2003年の第31回大会で敗れて失った覇権をようやく奪回した。
圧倒的な強さで優勝の立役者となった若干26歳のピーター・バーリングは「優勝杯を持ちかえることが出来て本当に嬉しい」と語り、喜びをかみしめていた。
昨年夏、リオデジャネイロ五輪の男子49er級で金メダルを獲得したバーリングにとって、“America‘s Cup”は初めての舞台。挑戦艇決定戦では艇が転覆大破する事故もあったが、そのトラブルを乗り越えて栄光の勝利を手中に収めた。
リオデジャネイロ五輪の49er級金メダリストピーター・バーリング(右)
シシリア・ヨットクラブが次回大会の挑戦者代表に
大会終了後、第36回“America‘s Cup”の挑戦者代表に<ルナロッサ>を擁する“シシリア・ヨットクラブ”になることが発表された。“America‘s Cup”を実施するための開催規則(プロトコール)制定の権利は防衛艇側にあり、主導権がニュージーランドに移ったことで、次回大会の開催規則も大きな変更も考えられる。