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2021年02月26日

世界一過酷で、壮大な地球一周レース
“ヴァンデ・ グローブ”は人生そのもの、、

 世界一過酷な外洋ヨットレース、単独無寄港無補給世界一周ヨットレース「ヴァンデ・グローブ」に挑戦していた白石康次郎〈DMG Mori Global One〉が、2月11日、フランス、レ・サーブル・ドロンヌ沖にフィニッシュ、94日間の壮大な地球一周レースを完遂した。
 ヴァンデ・グローブ完走を成し遂げた白石康次郎と〈DMG Mori Global One〉の記録は94日21時間32分56秒、33艇が参加したなかで16位。8艇がトラブルのためリタイアした過酷なレースで堂々の成績を残した。
 “ヴァンデ・グローブ”は、1989年から4年に一度開催される単独、無寄港、無補給で世界一周を競う最も過酷な外洋ヨットレースで、開催地のフランスでは「テニス全仏オープン」、「ツール・ド・フランス」と同じく注目を集めるスポーツ競技で、欧州各地では高い認知度を誇る。
 恩師、多田雄幸氏の意思を受け継ぎヴァンデ・グローブを完走することが夢だった白石康次郎は、2016年に、念願の初出場を果たし完走を目指したものの、 マストトラブルにより残念ながらリタイアした経緯がある。そんな白石に強力な味方となったのがDMC森精機チームだ。そして、昨年11月、第9回を迎えたヴァンデ・グローブ世界一周レースに、白石康次郎と〈DMG Mori Global One〉は、長年の夢を果たすべく、勇躍旅立った。  単独、無寄港、無補給で世界一周を競うモンスターヨットは、IMOCA60(国際モノハルオープンクラス協会が指定する規格を満たす外洋ヨット)で、艇体はもちろん、艤装品の多くにカーボンを使用した軽量・強靭なヨットで、全長は60ft(18.28m)、全幅5.85m。船体側面から羽のように突き出た板状の「フォイル(水中翼)」が特徴的で、艇速が増してくると艇体を水面から浮きあがらせ、艇速が飛躍的に上がる。

 少年時代、船で海を渡るという夢を抱いた白石康次郎は1967年、東京生まれの54歳。高校時代に故・多田雄幸氏に弟子入り。多田氏のレースをサポートしながら修行を積み、1994年に、26歳で単独無寄港世界一周航海を成し遂げ、当時の史上最年少記録を樹立した。
 2006年には、念願の単独世界一周ヨットレースに「Five Oceans」クラスⅠ(60ft)で参戦し、堂々2位でフィニッシュした。
 白石康次郎が追い求めてきた夢は、恩師である故多田雄幸氏の意思を受け継ぎ、この壮大な単独無寄港無補給地球一周レース「ヴァンデ・グローブ」を完遂することだった。
 そして、いま、永年、追い求めてきた夢が実現した。

 白石康次郎公式サイト https://kojiro.jp/
 photo by Yvan Zedda / Alea