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<Claris Forte>巡航日記 素敵な出会い、新しい発見の旅

写真・文 中野誠・美千穂

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■今回巡行した島と港(地名をクリックして地図データをご参照ください)
観音マリーナくらはし海の駅かまがり海の駅今治みやうら海の駅津波島粟島直島家島的形

第六回 半年間の巡航を終えて

夕焼けに染まる瀬戸内の海

 今日は、瀬戸内海ラリーに参加したフネに交じって泊めていた観音マリーナを朝9時に出港。
 ちょうど、音戸瀬戸が逆潮だったので、一度通ってみたかった能美島と倉橋島間の早瀬瀬戸を通り「くらはし・海の駅」に13時に到着。ここで昼食予定だったが、あいにく、桟橋を漁船に占領されていて停められずに断念。今度は鹿島と鹿老渡島の間の鹿老渡瀬戸を抜けて、今日、宿泊予定の「かまがり・海の駅」へ向かい、16時に無事到着。こっちは広い桟橋を独占できた。
 ここには“県民の浜”というレジャー施設があり、そこのお風呂に浸かって帰ってくると、今週もまた、綺麗な夕日を拝めました。最高!

観音マリーナで瀬戸内ラリー参加艇の間で係留中の<Claris Forte>

●メモ
広島・観音マリーナ泊地情報
・係留場所・係留料:係留料は施設の整ったハーバーとしては割安(価格はマリーナに問い合わせ)
・給油給水・食糧:給油、給水はマリーナで可能。隣接のレジャー施設で食事も可能
・風呂・洗濯:銭湯はバスで数分。シャワー(たしか洗濯機も)はマリーナで可能

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
また、泊地情報をより正確なデータとするために、泊地に関する追加の情報等あればぜひ編集部までお寄せください。

“くらはし・海の駅”の桟橋
本来なら、この桟橋の左側に停められるはずなのですが…


“かまがり・海の駅”の桟橋



夕焼けに染まる瀬戸内海の“蒲刈・海の駅”。入口付近の左側に写っている防波堤は満潮時沈んでいる可能性あり。沖合から入港するときは防波堤先の灯台の左側を通って入港すること

夕日と<Claris Forte>。 かまがり・海の駅にて

●メモ
蒲刈・海の駅泊地情報
・係留場所・係留料・給油給水・食糧・風呂・洗濯:係留料は無料。“県民の浜”というレジャー施設の桟橋で、施設内に食事処やお風呂あり。ただし、閉館時間が早いので、時間を確認しておかないとお風呂や食事にありつけなくなる可能性あり

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
また、泊地情報をより正確なデータとするために、泊地に関する追加の情報等あればぜひ編集部までお寄せください。


大三島から津波島へ

 9月21日。本日、寝過ごしてしまいました。5時に出港予定が、起きたのは7時…瀬戸内海で寝過ごすということは、イコール、逆潮で先に進めないということで、一応出港したものの、宮之窪瀬戸の手前で諦めて、大三島の以前寄港した宮浦港に入港し、昼食とお風呂。
 15時に再度出港して、18時に、いつか機会があれば寄ってみようと思っていた津波島に入港。
 この津波島、ツバジマと読みます。夏場は海水浴やキャンプ場として賑やかなようですが、いまの季節は無人島!だから、今晩は二人だけの貸しきりです。でも、暗くなってから、桟橋から100mほど離れたところにあるトイレに行くのが肝だめしみたいで、ちょっと勇気がいる。晩飯は本日、大三島で買ってきた鯛茶漬け。明日は寝過ごさないように早めの就寝です。

大三島のいまばり・みやうら海の駅。以前も訪れたところで、この時の経験から食事とお風呂に行くのに自転車を用意したので今回は楽だ。数10円の係留費を払うため、役場や港湾事務所に行ったけど誰も居なくて…しかたなく無断係留。入港時、航路以外は浅いようなので気をつけてください

●メモ
いまばり・みやうら海の駅泊地情報
・係留場所・係留料・給油給水・食糧・風呂・洗濯:係留桟橋はすごく立派で、係留料もごく僅か。食事・お風呂も少し遠いですが、一応徒歩圏内。お店や食事処は桟橋近くにも数件あり

津波島(ツバジマ)の桟橋。海から見て右側が一般に解放されています。桟橋に近づくと急に浅くなってきます。それでも桟橋付近の水深は5~6mあります

●メモ
津波島(ツバジマ)泊地情報
・係留場所・係留料・給油給水・食糧・風呂・洗濯:無人島なので何もなし。係留料も無料(たぶん)。 夏場はキャンプ場、海水浴場として賑わうので、桟橋は使用出来るか不明。桟橋から100mくらいのところに建物があり、そこにはトイレあり

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
また、泊地情報をより正確なデータとするために、泊地に関する追加の情報等あればぜひ編集部までお寄せください。


瀬戸内にはアートな島が多いね…

 今日はアートな島巡り。7時に津波島を出港し、一昨日、福山のヨットのメンバーがクルージングに寄っていた豊島を視察。北向きにオープンな湊なので、冬の時期には不向きだが、夏に潮待ちに寄って遊ぶにはちょうど良さそうです。
 ここはすぐに出港し、お昼に粟島で昼食。
 ここ粟島は瀬戸内芸術祭の島で、島のあちこちにいろいろなアート作品が飾られていて楽しい。
 食後、出港して本日の泊地、直島本村港を目指すが、途中から逆潮で目前でもなかなか進まない。
 最後、3ノットオーバーの潮を乗り越えて、日暮れ前になんとか到着。
 定期船の桟橋の反対側に泊めて、港の係りの人に訊ねると快くOKの返事。自転車を出して島の反対側のI Love湯というアートなお風呂屋に向かっていると、バイクに乗ったおじさんが追いかけてくる。その人が直島で2隻しかないヨットのオーナーの三宅さんだった。
 ヨットが入港したと聞いて追いかけてきてくれ、その後、宮之浦のお風呂まで案内していただいた。この直島も、あちこちにアート作品が散らばっていて、日暮れのこの時間も芸術に興味のある若者がいっぱいです。
 宮之浦で、レトロな雰囲気の喫茶店で食事をして、アートなお風呂に入って帰ってくる途中に自転車がパンク!歩いてもそう遠い距離でもないので押して帰ってくると、三宅さんが船を覗きに来られ、僕の苦手なエンジンや、この港から出ていく時の航路の注意点等を親切に教えてくれた。
 今日も楽しい1日、楽しい出会いに感謝です。

粟島でラッセル・クーツの手形石碑を発見

粟島のあちらこちらにこんなアート作品がいっぱい展示しています

粟島の“ル・ポール粟島”の桟橋。ル・ポール粟島に断りのうえ、短時間の係留はOK

●メモ
粟島泊地情報
・係留場所・係留料・給油給水・食糧・風呂・洗濯:ル・ポール粟島の桟橋なので、食事をする際は短期係留は無料。シーズン中は予約しておいたほうが無難だと思います。食事は“ル・ポール”で。他は不明。ゆっくり観光するときは、写真手前の地元のヨットが写っているところ、この辺りに槍付すれば可能だと思います

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
また、泊地情報をより正確なデータとするために、泊地に関する追加の情報等あればぜひ編集部までお寄せください。

直島港の定直期船桟橋。島の反対側の宮之浦の桟橋も係留出来るけど有料です

直島で眺めた朝日の綺麗さに感激

●メモ
直島港泊地情報
・係留場所・係留 ・給油・給水・食糧・風呂・洗濯:係留料は無料。給油・給水は不可。食事できるところは徒歩圏内に数件ありますが、日暮れには閉まってしまいます。それ以後は、島の反対側の宮之浦へ。お風呂も宮之浦のアートなお風呂へ(どんなお風呂かは行ってみてのお楽しみ)。ただし、徒歩で行ける距離でないので、自転車かバスを利用。宮之浦にも公共桟橋があるので、こちらに泊める方が便利です。ただし、こちらは有料で1泊<フォルテ>で2,000円~3,000円程度で要予約

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
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直島から的形へ

 今日も朝から好天に恵まれ、綺麗な朝日を拝んで、直島を7時に出港。
 逆潮で、艇速は3ノットちょっとしか出ないけれど、朝日に照らされた島を眺めながら走っていると、そんなことは全然気にならない。
 9時頃、犬島に到着して連絡船の着く港に入ってみたが、まわりは暗礁がいっぱいだし、桟橋には“無断係留禁止”の看板。それに水深も浅そうなので、桟橋まで、あと数メートルのところまで近よったものの係留は断念。次回は、もう少し調べてから再挑戦することにして犬島を後にする。
 昼御飯をどうするか、家内と相談して家島の“志みず”に決定。さっそく、予約を入れて“志みず”の桟橋に13時に到着。美味しい穴子重を食べて、ついでに桟橋で船底掃除。
 家島を出たところにある男鹿島の中村荘も見てみたいという家内のリクエストに応えて、中村荘桟橋に移動してかき氷を食べる。そして、今日の目的地、的形へ。
 日の暮れる直前に的形へ到着し、天満屋のおばちゃんに挨拶して家路につく。
 ということで、この週末は広島から的形まで、めいっぱい楽しんでしまいました。

朝日に照らされた瀬戸内海の風景は格別だ

家島の“志みず”の桟橋にて。急に浅くなってくるので要注意。でもキールの所の深さは充分ある

●メモ
家島泊地情報
・係留場所・係留料・給油給水・食糧・風呂・洗濯:料理旅館“志みず”の桟橋なので、食事・宿泊の際は使用可能。一応予約が無難。周りには何もないが、町まで徒歩数分程度なので、そこまで行けば何かあるかも?お風呂は予約しておけば“志みず”で入れそうです

男鹿島の中村荘。桟橋の先に係留したら、フネまで行くのに結構揺れる

●メモ
家島泊地情報
・係留場所・係留料・給油給水・食糧・風呂・洗濯:ここも、中村荘利用の際は桟橋無料で利用可能。周りには何もないですが、食事、宿泊、シャワー等すべて有料ですが揃っています。中村荘のご主人は、かなり高齢ですが元気で気さくな方です。揺れる桟橋も平気で舫いとりに来てくれます

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
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今週は的形三昧…

 9月29日。金曜日に仕事が終わってから、ひさびさに車で出発。途中、新西宮ヨットハーバーに立ち寄って、最近、ご無沙汰だったJ24<Claris>をチェックする。その後、夜半に的形到着。
 翌日の土曜日は、最近、調子が悪かったエンジンのスターターを交換したが、エンジンが一発で掛かるようになりご機嫌です。
 そして、今日は的形ヨットクラブのポイントレース。関西に戻って来たので顔見知りがいっぱい。とくに、ここ的形は関西のミドルボートで活躍するヨットがたくさん係留しているハーバーです。
 ポイントレースにはダブルハンドで参加したのですが、“そんなに吹かない水域”なのに、この日は15ノット前後の風で3レースを消化。明日は2人とも筋肉痛かな!結果は後日発表…何とか最下位は免れたかな…
 的形は、レース終了後も皆で反省会をしてレベルアップを図るなど勉強熱心なクラブです。
 反省会終了後、<God Speed>のメンバーと食事をするなど、週末を楽しく有意義に過ごして後、帰途に就きました。

日暮れ前に的形のビジターバースに着いた。ここは、旧NORC時代からヨットが盛んだったハーバーで、内海支部で最も古くからあり、僕も、学生時代にレースをした思いでの港だ

●メモ
的形泊地情報
・係留場所・係留料・給油給水・食糧・風呂・洗濯:係留場所は的形ヨットクラブの所有桟橋で、1日1,000円程度。水、電気は使用可能(有料)。近くにお店はなし。徒歩10分程度、駅のそばにコンビニあり。対岸の奥村ボート横に隠れ家的喫茶店あり。

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
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半年間の巡航を終えて…

 今週末は、二色ヨットクラブで「スコードロンカップ」に出る予定だったが、大型台風襲来のため、急遽予定を一週間早めて、母港の新西宮ヨットハーバーに帰って来ました。
 昨夜(金曜日)、仕事が終わってから単身的形に行き、風が吹いてくる前に出港。今朝6時半に無事帰港。確か、この航海は、今年の4月5日早朝に新西宮を出港し、帰えってきたのが10月5日早朝だったので、ぴったり6か月にわたった遠征が無事終了したわけです。
 しばらくは、ここ新西宮ヨットハーバー近くのレースに参加しながら、冬場に艇の整備をして来年の遠征に備える予定です。軽く長期遠征の後片付けと台風対策をしての帰り道、西宮酒蔵通り周辺で“お酒フェスティバル”のような催しが…酒博物館の無料解放や光の祭典など、島巡りで立ち寄った瀬戸内海の“芸術祭り”がまだつづいているような、そんな楽しい気持ちで帰宅しました。

母港の新西宮ヨットハーバーに無事帰港。春にはまだ工事中だった上架設備も完成していた

●メモ
新西宮ヨットハーバー泊地情報
・係留場所・係留料・給油給水・食糧・風呂・洗濯:<Claris Forte>のホームポートです。施設はすごく整っており、給油、給水、電気すべて使用可能。ただし、係留料を計算してみると、<Claris Forte>で3時間まで1,000円、1日だと7,600円!ホームポートながら皆さんに“ぜひ来てください”と、言えないのが悲しい。ただし、関西ヨットクラブのレースに参加するときは、レース前後1週間は無料係留が可能なので、ぜひ、関西ヨットクラブのレースに参加しがてら遊びに来てください。食事はハーバー内にレストラン2軒、ハーバー周辺に数件、目の前にコープ、徒歩圏内にコンビニ1軒。お風呂は無いですが、ハーバーにすごく立派なシャワー施設があります

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
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