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<Claris Forte>巡航日記2015 今年も“素敵な出会い、新しい発見の旅”が始まった

写真・文 中野誠・美千穂

■今回巡行した島と港(地名をクリックして地図データをご参照ください)
島マリン佐田岬漁港四国最西端の宿“大岩”八幡浜沖の大島宇和島

第九回 松山から宇和島まで巡航する

4月27日

 来週末に行なわれる宇和島パールレースに向けて松山から宇和島までクルージングの予定。金曜日、仕事の後に最終便で松山入りする予定だったが、あいにく、仕事が終わらず最終便に間に合わなかったので、急遽、車で松山入りに変更し、夜中2時前に島マリン到着。 軽く仮眠を取り、車を島マリンに預けて夜明け6:30出港。
 風も無く、快晴のなかを機走で佐田岬を越え、16:00過ぎに無事佐田岬漁港に入港した。
  途中、藻の中を何度か走ったためか、少しペラに藻が絡まったので入港後に潜って藻をの除去する。ついこの間、牛窓では“フルスーツ”で潜っても寒くて凍えるような感じだったのに、ここまで来ると“ラッシュガード”1枚でも大丈夫だった。
 ラダーの先端付近が少し汚れていたので、ついでに、この汚れも取ろうとふたたび潜って見ると、なにか普通の汚れじゃない!よく見ると、キールの70~80cm下辺りから汚れている。どうやらこの1週間のあいだ、島マリンに係留していたので、干潮時、ヘドロに突き刺さっていたみたいだ。(あるいは河口の為流れてきた不純物と船底塗料が化学反応で変色したのかもしれないが…)
 浅いとは聞いていたが、入港時だけだと思っていたのだが、まさか桟橋付近も駄目だったとは。キールの付け根にはダメージが無さそうだったので一安心。次から係留する場所を考えないと。
 気を取り直し、土曜の夜は予約しておいた四国最西端の宿「大岩」に宿泊する。民宿のご主人に船の係留場所も指定してもらい一安心。夕食は地元の海産物料理が食卓を埋める。魚介類もいっぱいで残念ながら完食出来ず…だった。
 民宿のお風呂は最上階にあり、係留中の愛艇や豊後水道が一望出来て最高…のはずが、残念なことに今回は民宿の外壁塗装工事中で、足場やネットに阻まれ景観はあまりよくなかった。
  日曜日、朝食後に出港し宇和島に入港する前にちょっと寄り道をして、前から行ってみたかった八幡浜沖の大島に立ち寄って15時に宇和島に入港した。
 宇和島ヨットクラブの皆さんから歓迎を受けて着岸すると、北海道からご夫婦で日本の湊々を巡航中の<My Way>がお隣に。ご夫婦で2年ほど前に北海道を出港し、日本中を周られているとのこと。上には上がいるものです。(この<My Way>の御夫婦、この後、北九州で人命救助をして保安庁から表彰を受けられました。)
 宇和島ヨットクラブの方に宇和島駅まで送っていただき、電車で島マリン最寄りの堀江駅に移動すると、こんどはヨットの輸入販売業者、シーホースの原さんが迎えに来てくださり、おまけにお宅でお茶までご馳走になり、一時間程ヨット談義に花を咲かせる。もっと、いろいろな話をしたかったのだが、翌日の仕事のことを考え島マリンまで送っていただき、真夜中を過ぎた午前1時過ぎに無事自宅に到着した。
 今週も素敵な出会いがあり、綺麗な風景と美味しい食事を満喫した旅だった。

松山島マリンから宇和島に向けて出港

佐田岬漁港。奥に見えている魚の絵のブルーの建物は大きな製氷機です。200円投入で氷20kgが購入できる。この港は、南からの波や風に対して砦のように幾重にも防波堤がある。台風のときは相当大きな波が押し寄せるのだろう。入港してすぐの海底は藻で一杯。この様子だと夏場は海面付近まで伸びて来て、ヨットが入港するのは大変かも!という感じ。今回、係留した場所は民宿のご主人の指示があったので泊められたが、宿泊なしで来ると、もう少し不便な所になるかもしれない。佐田岬漁港入港の際は、民宿“大岩”に宿泊あるいは食事を予約して入港するのがお勧めです。

民宿“大岩”の夕食。この後、ブリの煮付けや伊勢海老の鍋など次から次へと料理が出てきた

佐田岬漁港の夜明け。この朝日が宿のお風呂から眺められる

●メモ
佐田岬漁港泊地情報
・係留場所:
・係留料:無料
・給油給水:
・食糧:
・風呂:民宿大岩にて

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
また、泊地情報をより正確なデータとするために、泊地に関する追加の情報等あればぜひ編集部までお寄せください。


八幡浜沖の大島漁港。水深を気にせず港に入れたのはここが初めて。<Claris forte>が泊っている辺りでなんと水深約30m。桟橋に仮泊して漁協に係留場所を聞きに行くと「誰も何も言わんやろから泊めていいよ!」とのこと。ただし、東からの波や風はもろに受けるので、風向きによっては他の場所を探す必要あり。手前左の船は八幡浜と大島を結ぶ通船。

ここは大島と三王島を結ぶ道。海がとっても綺麗で、海水浴の季節に時間をタップリとって遊びに来たいところです

●メモ
大島漁港泊地情報
・係留場所:
・係留料:無料
・給油給水:なし
・食糧:港に小さなお店一軒
・風呂:なし

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
また、泊地情報をより正確なデータとするために、泊地に関する追加の情報等あればぜひ編集部までお寄せください。


無事、宇和島に到着。昨年は悪天候で苦労したが、今年は本当に楽な回航だった。一緒に写っているご夫婦が北海道から日本周航の旅を続ける<My Way>の小松ご夫妻。2年近くヨットで暮らしながら日本中を周っているそうです。

●メモ
宇和島港泊地情報
・係留場所:
・係留料:
・給油給水:徒歩圏内
・食糧:徒歩圏内
・風呂:徒歩10分程度「宇和島」駅付近に銭湯一軒

編集部注:泊地情報はあくまでも参考データです。詳しくは各艇でご確認願います。
また、泊地情報をより正確なデータとするために、泊地に関する追加の情報等あればぜひ編集部までお寄せください。